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古材で家具を作るアイディアを練っていた2011年の2月だった。
4ヶ月後に初の展示会を控え製作に夢中だった頃。
デザイナー北川さん・製材社長森さんと3人で話していた中で
この家具を発表したら「関本の専務大丈夫か?」って言われるだろうなと。

これまで関本家具は70年以上ドレッサーを作ってきた会社です。
鏡台に求められる均一性。数十台の家具を同じ品質・寸法で作る。 塗装にホコリ一つ付着するのを嫌う「ものづくり」の関本家具装芸は これまでの技術を「真逆」の家具作りに振り向けました。

ならばそれをブランド名にすればいい。
「そう、俺らはイカれてます。イカれた大人がイカした家具を作ってますって。」 3人の雑談から生まれた名前。「イカれた大人が古材をイカしてイカした家具を創造するプロジェクト」略して「イカピー」
(ちなみにikpは製作中にSNS上で使われていたコードネーム。)

捨てられる理由は再利用することの難しさ。
建築現場から出る廃材。今までは使うことなく捨てられた材料。
木材としての強度や性能は失われてないのに。
それは「再利用することの難しさ=コスト高。」が一番の理由でした。

クギや石、時には猟銃の鉄砲の玉も刺さってる。
建築や工事現場で長年使われただけあって、コンディションは色々。 一つ一つの材を高圧洗浄で洗いワイヤブラシで表面を削る。釘や砂は細かく取り除く。大変な手間と時間。
新品の材料を使った方が「楽に均一に早く」作れるんです。

なぜそんな手を掛けても使うのか。
それぞれの表面にその場所で使われた歴史が刻み込まれた材料。
釘やワイヤーのサビ跡、節などが突然ヴィンテージ感と昇華して、新品の材料からは絶対に出ない「味わい」が生まれる。
この特別な存在感を家具にして届けたい。
イカピーの製作には、そんな思いが込められています。